IT化が進む中で、プログラムの存在はなくてはならないものになりました。そんなプログラムを構成するソースコードには、著作権が発生することをご存じですか?
ここでは、プログラムのソースコードにおける著作権についてお伝えするので、プログラミングに関わる方や、IT業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
著作権とは
そもそも著作権とは、思想や感情が表現された創作物である「著作物」と、作者である「著作者」を守るための権利です。著作権を侵害してしまうと法律違反となり、罰金刑や懲役刑の対象となります。では、なぜ著作権が必要なのか、一緒に考えてみましょう。
例えば、誰もが絶賛する素晴らしい絵画を、あなたが生み出したとします。しかし、この絵画を見た他の人が、あなたの絵を写した作品を売り出したり、「これは自分が描いたものだ」と主張したりしてしまっては、利益が奪われてしまいますよね。それだけでなく、あなたの創作の意欲がなくなってしまい、今後創られるはずだった新しい作品が世に出なくなってしまうかもしれません。
このようなことがないよう、著作物や著作者を守るために、著作権が存在します。財産や人格を保護する、とても重要な権利なのです。
著作権が発生するものについて
著作権が発生するものは、思想や感情が表現された創作物が対象です。絵画や陶器などの芸術品はもちろん、文章、イラスト、写真、音楽など。
この際、勘違いされてしまうことも多いのですが、作者の技術力は関係ありません。プロのイラストレーターが描いたイラストでも、あなたがチラシの裏に描いたイラストでも、創作性があるものには著作権が等しく発生します。
また、プログラムを構成する「ソースコード」も例外ではなく、著作権が発生します。
ソースコードにおける著作権について
では、プログラムのソースコードにおける著作権とは、どのようなものなのでしょうか?基本的には、ソースコードを書いた製作者に著作権が発生します。ただ、場合によっては異なることもあるので、それぞれのケースを確認してみましょう。
個人で書いたソースコード
第三者を挟まず、個人的に書いたソースコードの場合、著作権は確実に製作者に発生します。
例え、趣味や片手間で書いたものであっても、他の人が複製・改変をすることはできません。法律違反となってしまいます。
企業で書いたソースコード
企業に勤め、仕事で書いたソースコードの場合、著作権は基本的に企業に発生します。
「職務著作」といって、業務上制作した著作物は、製作者ではなく企業や雇用主が著作権を有します。そのため、例え一人で書いたソースコードであっても、複製をしたり社外で利用したりすることはできません。
業務委託で書いたソースコード
業務委託で書いたソースコードの場合、成果物の著作権が制作者にあるのか、それとも依頼した企業にあるのかは、契約によって変わります。
契約の内容によって全て決まるため、業務委託でソースコードを書く場合は、契約事項として著作権の所在を明記することが重要。曖昧のままにしておくと、トラブルに繋がりかねません。
ソースコードの著作権を守るためには?
世の中にさまざまなプログラムがあふれる中、ソースコードの著作権を守りたいと考える方もいるでしょう。さまざまな工夫を凝らした創作物を、簡単に複製されてしまっては困りますよね。
著作権侵害を予防する方法としては、「難読化」があります。難読化とは、プログラムの機能はそのままに、ソースコードを読みにくく改変するというもの。そのため、ソースコードを勝手に複製したり、解析したりすることを防ぐ効果があります。
難読化には、Python難読化ツールやJava難読化ツールなど、それぞれのプログラミング言語に対応したツールが必要。自身で生み出したソースコードを守りたい方は、難読化ツールを利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
芸術品や文章、イラストと同じく、プログラミングのソースコードには著作権が発生します。他の人の著作権を侵害しないため、また自分の著作権を守るためにも、ソースコードの著作権について覚えておきましょう。